2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ズボライキ節

ズボライキ節 なにをくよくよ 高瀬の柳 焦がるる なんとしょ 吐いの流れを 見て暮らす 東雲の ズボライキ さりとはつらいね てなこと おっしゃいましたかね自由謳歌で 大学出たが それから なんとしょ 仕事投げ出し 吐い拾い 浮かれ女の ズボライキ さりとは…

リボン

リボン トタン屋根の隣人 リボン結んであげますねあげくのはて沢渡り リボン結んであげますねトタン屋根の隣人 あまゆずのにおいしますかなしみいし沢渡り 金柑いろのあめは踊り子トタン屋根の隣人 蒲公英結んであげますねトタンに日は暮れ 禅庭花結んであげ…

墨 藍よりこい藍をみて 日はおち 静寂はひとみ 黒く ぬりつぶした 電線が黒く ゆれる 風はなぎ 夕闇はないた 黒く ぬりつぶした 藍よりこい藍を省みて 筆はゆび 墨で描くひとみ 宙を ぬりつぶした 指先が黒く うごく 花は枯れ 沈黙がさいた 宙に かきつぶした

洋紙

洋紙 青カビはえた古書店に 茶色い紙がありました 丸眼鏡をかけた古本が いくつもいくつも並んで それは珈琲牛乳のやうでした 洋紙は珈琲牛乳のやうでした 書店員のおにいさんは くるひもくるひも整理して たれかに其れを売るのです 青カビはえた古書店員は …

憧憬

憧憬 クロス張りの恋ひとつ 黒板のうらにおいてきた 放課後のきやうしつに (窓辺にカアテンゆれる) ガラス張りの愛ひとつ 灰皿のしたにおいてきた 場末の辺鄙なスナツクに (河岸にカアテンゆれる)