2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アドニスと釣人

アドニスと釣人 片田舎のアリスに日は照つて あたりは銀紙はらはらはらはら もうさつぱりと青ざめたから おれはやうやくレンズを嵌めて 手広くやつておいでですな などと云ひ手札を屑籠にほおる これらをニヒルなどと形容するに 他ないのはあまりにも傷んだ…

俯瞰気象

俯瞰気象 雨天烈き 雨雨雨 雨雨雨雨 曇天ダカーポ 雨雨雨雨 雨雨雨雨 大旱サーカス 天天天 天天天天天 傘張り銀稲穂 心音ーーーワスレ草 雨に唄わばより酷く すまきかまぼこ御配慮 病病病病病 訂訂訂訂訂訂 此程消化のよい晴天也 風靡は病なればこそ 日陰に…

金色尾錠

金色尾錠 借家の畳のいたんだやうな あの月もきつとサスペンダー 固定された琥珀いろのでんぷんを ほんのひとかけらなくなく食み なんぞ入れなければならないのだから 外はチカチカ明滅する電灯で ひとびとも漫ろに文字盤ぷらぷら まるで竜頭のいかれたやう…

千歳飴

千歳飴 孤独シーケンスは千歳をなめて こんやきつとさうしやう 角質剥離剤の日めくりならば 舌でコロコロという具合のほうが よほど快気になるのだから 石積みのしらべに金箔かけて ほのかにかおる瑪瑙に遊んでは こうして額縁の空をたゆたう 鳴いた郷里はき…

風景トラクター

風景トラクター こがねのいなほに かぜふいていかり とらくたがらくたで たちすくんでは目目目 よくよくかんさつ たばねてやいては あゝいちねんの掌掌掌 じねんとさうおもうから いびつなしかくの 酷酷ときらびやかな かぜのなをおれはよび えんえんとのの…