2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

奇想曲

奇想曲 おりにふれては一輪の これは金蘭であれはといえば ひらで摘んでは遠ざかる この超越論的塩基配列の一軍を たといばショパンなれば どのやうに譜に打つであらうか 一体どうしておれを呼ぶ 謫居の身に分不相応の煌めきは あまりにもハートに画鋲で よ…

狂想アマデウス

狂想アマデウス あるけば棒とあせかいて 空虚な五線譜のランドリイ 月台のレールにひん曲がつた 百円玉もがりがり入れて こんな月夜なら電線も十字切り にへりと切れかけのやつを おれはそれをはつきりと見た まばたきとそれら一連の明滅を デジヤブと三部形…

病室チアノーゼ

病室チアノーゼ どうしておれはこうなのだ 脾肉に白髪を嘆くこともなく 在るがままに長らえて 通りを行き交うルサンチマンを じいと眺めては青ざめる 先ほどからやけに吐き気の酷い 化粧師は白粉ポンポンとやり つんとした辻褄にやつきである こうして廃院に…

情感アイロニー

情感アイロニー ほらご覧なさい職員室も ギヤマンにピエゾなのですから あらゆる体系の中の延長を それらのポラポラとした 灯かりに暗くまた利に疎い わたくしなどにはわかりませんが 夏の稲穂の背丈くらいには 幾度もビーズの風雨に洗われて 無作為に投げ出…

海月

海月 そこらは甘粕でいつぱいで 咥えシケモクに海猫くわくわ そらを測りにかけやうと おまえはだからエスぺイス たれも居ない砂の酒場で ペダルを踏んではぶさいくに 鋭利な画家はカンカン照り おれも透かし細工のそれらを きつときつと一目見やう 螺旋につ…