奇想曲

奇想曲



おりにふれては一輪の
これは金蘭であれはといえば
ひらで摘んでは遠ざかる
この超越論的塩基配列の一軍を
たといばショパンなれば
どのやうに譜に打つであらうか
一体どうしておれを呼ぶ
謫居の身に分不相応の煌めきは
あまりにもハートに画鋲で
よわいを重ねて見学するほど
暗い夜道にやさしさ背広で
この黒い生地に名をつける栄誉を
おれはそのうちにほくそ笑む
摘んだひかりにひとはさう
きらきら星などと云うのだらうよ