2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

俯瞰休符

俯瞰休符 つむりの窓辺の青さにも ほんのり淡く桃のさし 天然もあまねく心電波浪 あくびの角部屋に トタン屋根も不随する 熟してうまい空の中 行き交うものの凄まじさ 誰もいない廃院の屋上 錆びたおれや物干に ワイシャツやらシーツにも そろそろ色のついて…

俯瞰蒼穹

俯瞰蒼穹 天幕はローソンブルーで どこから波の音のする こちらは凪いで蓬髪くくり 目方のあやうい影を追う まるで印字のかすれたような おれはそれに浮標投げる いくらかぷかぷやろうとも 木目にセロファンなのだから そうして梁はからふねで おまえはどう…

俯瞰狼狽

俯瞰狼狽 あの空の製鉄所で いつもそうだつたのだから これはなんてえ様だ まるきり平仄の合わない 酷いあべこべ細工の姿見にも ほこりのかぶる日もあるだろうよ おれは一人で歩いていて いつもそうであつたのだから それを憐れむ事なんぞ 赦してなんぞやる…

俯瞰耄碌

俯瞰耄碌 春のろくでなしは 厚塗りポラやカンバスで だのに黒糖ぼたぼたと せめて一列に並んでいろ 灰吹からのぞんだ空に 浮かぶ舟なぞあるものか ことさらに寒もきわどいです 黄ばんだ文士の囀りやらを 枕にしてみて思うことは こういうやうな幻想か おれに…

俯瞰生活

俯瞰生活 ぶあつい雲のランドリは くるくるでがらがらだ 精米所なんぞはいつさう暗い ぷかぷかタールにしけもく 模様変えした折にはとんとん 緞帳の降りて終まいには 空の化繊に引きちぎられる ぱちぱち鳴るは電灯に月灯り 三分の染井も漂白されて おれも米…

無題

無題 こんな配慮の足らぬ日は 脚の足らないグランド洋琴 ぽろぽろ化膿した雲間からは トンボのいちばん黒いので 俺の寝屋なんぞラフ画のやうだ 若し蕾が西洋ランプであつて つづら折りの今生を少しばかり そういう詐病もあるらしい あるいは俺もそのやうだつ…

俯瞰天球

俯瞰天球 水性の春雨パラム弾 冷気でほとほと疲れたのか 黒うさぎもいつからか あまり連弾をしなくなつた さんかくしかく独逸語で 左にはめこむ天球硝子 おれはそいつらが欲しい いちいち透明なやつをくれ 製鋼や三菱なんぞいらん お前たちのノギスの具合は …

雪恋

雪恋 滅菌いちごのガーゼに 春は流鏑馬なのでした 錐揉みスピンで乱気流 タルトの風に乗ります 恋のイマージュコイン 資産をいくら投げても 捏造する他ありません 雪だるま式に青空です 我が他が青春に縁あれ 縁一杯に注がれた黒豆 コメダのビーンズ煎り マ…