2018-01-01から1年間の記事一覧

紐解けば

紐解けば [製] 空間改行 エキゾチークに [洗] わたしのは布クロス 礼には梔子がよく似合う [泡] まるで固形石鹸のやう 檸檬のフレーバー [ゐ] であればマニュアルの こころの詰め方で [温] 日は照って朝露の 半歩日輪の陰を踏む [訪] これらはアラビア風で …

浮遊崛起

浮遊崛起(擦り寄り) おれは立つ 廃院にも日は照つて 目の眩むあおぞら一枚 おまえもまた胎児なのだらうさ ひどく悲しい繊維で編んだ なみうち際のポラロイド せいはりの汀はあてどもなく いつか聴いたコンポウザア あしについた砂の写真の それらをなつかし…

心象公演

心象公演 この目に映ることごとくを もしも鋏でパチンとやれたなら (ヒューズの飛んでいい塩梅) アルカリ切れた水晶体には 杜撰にキックで反吐に唾吐き (また円形テンプテーション) あすなろの荒野に立っては 襟も立て着色のサファイア風 (シールのように剥…

奇想曲

奇想曲 おりにふれては一輪の これは金蘭であれはといえば ひらで摘んでは遠ざかる この超越論的塩基配列の一軍を たといばショパンなれば どのやうに譜に打つであらうか 一体どうしておれを呼ぶ 謫居の身に分不相応の煌めきは あまりにもハートに画鋲で よ…

狂想アマデウス

狂想アマデウス あるけば棒とあせかいて 空虚な五線譜のランドリイ 月台のレールにひん曲がつた 百円玉もがりがり入れて こんな月夜なら電線も十字切り にへりと切れかけのやつを おれはそれをはつきりと見た まばたきとそれら一連の明滅を デジヤブと三部形…

病室チアノーゼ

病室チアノーゼ どうしておれはこうなのだ 脾肉に白髪を嘆くこともなく 在るがままに長らえて 通りを行き交うルサンチマンを じいと眺めては青ざめる 先ほどからやけに吐き気の酷い 化粧師は白粉ポンポンとやり つんとした辻褄にやつきである こうして廃院に…

情感アイロニー

情感アイロニー ほらご覧なさい職員室も ギヤマンにピエゾなのですから あらゆる体系の中の延長を それらのポラポラとした 灯かりに暗くまた利に疎い わたくしなどにはわかりませんが 夏の稲穂の背丈くらいには 幾度もビーズの風雨に洗われて 無作為に投げ出…

海月

海月 そこらは甘粕でいつぱいで 咥えシケモクに海猫くわくわ そらを測りにかけやうと おまえはだからエスぺイス たれも居ない砂の酒場で ペダルを踏んではぶさいくに 鋭利な画家はカンカン照り おれも透かし細工のそれらを きつときつと一目見やう 螺旋につ…

アドニスと釣人

アドニスと釣人 片田舎のアリスに日は照つて あたりは銀紙はらはらはらはら もうさつぱりと青ざめたから おれはやうやくレンズを嵌めて 手広くやつておいでですな などと云ひ手札を屑籠にほおる これらをニヒルなどと形容するに 他ないのはあまりにも傷んだ…

俯瞰気象

俯瞰気象 雨天烈き 雨雨雨 雨雨雨雨 曇天ダカーポ 雨雨雨雨 雨雨雨雨 大旱サーカス 天天天 天天天天天 傘張り銀稲穂 心音ーーーワスレ草 雨に唄わばより酷く すまきかまぼこ御配慮 病病病病病 訂訂訂訂訂訂 此程消化のよい晴天也 風靡は病なればこそ 日陰に…

金色尾錠

金色尾錠 借家の畳のいたんだやうな あの月もきつとサスペンダー 固定された琥珀いろのでんぷんを ほんのひとかけらなくなく食み なんぞ入れなければならないのだから 外はチカチカ明滅する電灯で ひとびとも漫ろに文字盤ぷらぷら まるで竜頭のいかれたやう…

千歳飴

千歳飴 孤独シーケンスは千歳をなめて こんやきつとさうしやう 角質剥離剤の日めくりならば 舌でコロコロという具合のほうが よほど快気になるのだから 石積みのしらべに金箔かけて ほのかにかおる瑪瑙に遊んでは こうして額縁の空をたゆたう 鳴いた郷里はき…

風景トラクター

風景トラクター こがねのいなほに かぜふいていかり とらくたがらくたで たちすくんでは目目目 よくよくかんさつ たばねてやいては あゝいちねんの掌掌掌 じねんとさうおもうから いびつなしかくの 酷酷ときらびやかな かぜのなをおれはよび えんえんとのの…

無風アンコール

無風アンコール 咲く花のにほふがごとく 与件はさうではないのであるから 日は散りいつしか既往を咎めて おれは花押のないビジヨンだからと いやに外はかぜがつよいから 猶更に不完全性定理ではないのか こころの巣をガタゴトやれども 自然に立つコートの美…

シグナル

シグナル 町のからだについた駅 それは優しい/雨なのだから 距離感パラソル/下向きの雨靴で ふたりは/いつだつて舌足らず あなたがそう/口ずさむのだから 白いバラを/部屋に飾るから この八月の/ジヨウロに耳あてて 波打つブイに/さよなら告げる あなたの声/…

ハーフ夏生

ハーフ夏生 霊亀二年の新川に 錫杖の鳴り手を揉まば 我は風箒に掃かれる葉なれど 木影に絡まり恐美恐美 いくらのやうに日は過ぎにし 神籬ほどに生あらば 苔も生したり清水に岩魚 夜場には蓆を敷きにけれども 転じて天に弓を射らんや 成り立ち不祥の一生なれ…

夢芝居

夢芝居 石光るのは千五百ワツトまでと あるいはノツトでも可し 牧場に相場屋が群がるばかりで 手前つねづね利に疎く こうして髪留めの伸びた具合で タンザナイトの季節には 手を前によく気をつけとやつて 日に二度ほど米を食べ ポラも割れた鏡のやうなのだか…

百日紅

百日紅 若し其れが多年草なれば シルクと月の糸で拵えた 三色刷りの正しさ (なにせ日に数本なのだから) 浅葱のよく晴れた日には 主治医はよく黴が生えるなどと 水桶でぶらぶらやつては このやうに日誌を 先生がカルテをつけるやうに 水泳をした髪をまとめて …

稲積

稲積 そらにたなびくアオザイの あまねく刺繍入りに涕泣しては 行けど行き過ぎ難きなどと 間なしに稲も高く積み上がらんや

ソリチュード

ソリチュード われわれはかく分類される 送料数センチメートルの ギラギラの調度品であると 蔦のからんだころあいなんぞは こころなしか水鏡もげつそり ときおり輪郭すらかちかちなので こどもの背丈ほどの穂なんぞ まるきり舶来のそれなのだから 一握の籾を…

心象ダカーポ

心象ダカーポ おれは合皮のこれらを 石竹やルビーなどと言い張る あまりにそれは透明なのだから 幾何級数的に膨れ上がり たまにシヤボンのやうに弾ける このやつかいな静止の海を どうにか語るすべのないものか なお天は高くごうごうと雨も降る たといば冠毛…

停泊

停泊 そのやうな網にかかるので おれはひたすら櫂をけたぐる 養殖された日光や鯉魚で このーーーー詩賦に舟のあらんと バスタブに浮かべたりもした 糸のからんでしようのない あのちぐはぐの風車が鳴いて ぎいぎいと金属音ーーーー ひとは葦だと案山子は云ふ…

俯瞰生業

俯瞰生業 白い頓智はシーツに針で もう八月にならうというのに 霊長類の哀しいホルマリン これもあれも翅の人なのだから さういう部位はことさらに 自鳴に琴というわけにもいかず ひとつも欠けてはならない 故事はテレコになりさえすれど 盆に返らずとは斯様…

無題

無題 またぞろ手を叩き 万事快音なれば こうして日を担いで ぼやぼやの厚着の昼に それもこれで不肖者 手際にはりついたこの 暗いべたべたを あの窓際にはりついた このーーーー別離 まるきりシヤレイド 絶句があらゆる腹呼吸を どうにも間の抜けた おまえは…

無題

無題 卑近と頷くころあいは これもまた雨中の煙ですかと あらゆる字引きを引いて 煎じたもの語りは鵺であり 伸びたり巻いたりと 忙しのないメヌエツト 若し証明しやうとするなら あの高名な数学者の如く 如何にそれらが驕りであるか あまりにも手に負えぬ わ…

心象リンゲル

心象リンゲル 水夫は深く帽子を被り お忘れ物のないように、 ご支度くださいと たしかにさう/聴診器幻聴 金魚の衣擦れのひびく いちいちシロツメなのは、 二千圓ほどの漂白剤と 甲冑のやうな著莪の木々 それでもなお/空のハーバー こころの石畳はどうしてこ…

訂正人語

訂正人語 月夜のフロウレスは 三角のこじつけのやうに 瓶硝子に口唇調で もつとも古典になぞらえば おれの口調は丁なのだらうよ ヘルムホルツは尚詰る 喩えばのお伽の積み木も 人為的で(或いはピアール) そのやうな具合なのだから あの洋裁店のマダムが これ…

心象プランタ

心象プランタ おれ指鳴らさば サアクル状に花は咲き 下図の如きは美しき なお滋養の暗く 注釈をゐれずとも これは夏薊の象形で おれはさう思うからと 回文が数珠であるやうに あちこち逍遥しては 先ず色調と形状を心象に 或いは人相書とも云ふ それらをスケ…

籠鳥

籠鳥 過矯正の畦道に骸骨の符は浮かび 現象風景はこどもの切り絵のピエロ いつしかここらも時計仕掛けで アイロンのやうな空に眩暈と乾いた音 早苗を撫でる糊のやうな風に 耳を澄ませてはまたネジを巻く これらがクロウドや印象派の如く 静止した一つの幻想…

水玉少女

水玉少女 あゝあゝ、と 十代の娘の如く俯いて ひとふで描きの、 夏模様にさるすべり となりのメルヘンすらも、 晦日には水玉カラー これらを韜晦と断ずるには あまりに半ぺらゆえ、 忍び愛情の絶ち難しと 女々しいからとリフレイン 第三番ホ長調の劇甚と、 …