ハーフ夏生

ハーフ夏生



霊亀二年の新川に
錫杖の鳴り手を揉まば
我は風箒に掃かれる葉なれど
木影に絡まり恐美恐美
いくらのやうに日は過ぎにし
神籬ほどに生あらば
苔も生したり清水に岩魚
夜場には蓆を敷きにけれども
転じて天に弓を射らんや
成り立ち不祥の一生なれば
斯く斯くと居直り候
風雨に心の堤も堰切れん
在りし日の掌を思わば
余りに此の穂の高かりにき