2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧
雪月抄 なんてんカラアの紅いほほ 口もとかくして走り去る 毛糸の絡まるカラアドは ほそい小雪であみあげた 処女のがらくたであつた おもいの丈の吹きすさぶ ネオンちらつく街のかど 踏まれた影とゆうくれを 珈琲カツプでのみあけた まあるい窓のむこうがわ …
人力車月夜によごれた十二月 ほつれた絹糸つくろうて ガラスの障子をじつと見る おれはそれらをじつと見る やまあいの禿げた棚田に よごれた字面をぬいつける 映写機廻る歯車さんや テント小屋のおやつさん こまりこまつて雪宿り やせたインキにふる雪は ど…
ざらめ雪 ざらめの小雪は どこか私の心のやうでした 青い電流コイルやらで すみきつた十二月のそら
三夜 こんな夢を見た。 自分は流行病により、病床に伏せていた。混濁とした意識の中、自分は幾度も汽車を乗り継いだ。天井の染みを数えていたところ、一人の炭鉱夫が香気を追って私の枕元へとやって来た。丁度、一間ほどの距離で私たちはほんの少し会話をし…