停泊

停泊



そのやうな網にかかるので
おれはひたすら櫂をけたぐる
養殖された日光や鯉魚で
このーーーー詩賦に舟のあらんと
バスタブに浮かべたりもした
糸のからんでしようのない
あのちぐはぐの風車が鳴いて
ぎいぎいと金属音ーーーー
ひとは葦だと案山子は云ふが
ここらの鬘に群がる鴉や
大鳥居にちんどんでやるせなく
あゝーーーー田に風靡は
どうしやうもなくアイロンで
ここらも小火なれば行燈の所為
なんと奢侈たることであらう
もとよりこれら全てが無為なれば
ーーーー小説に飾られたりも
錆びたバス停の看板にもたれて
ぷかぷかと浮かぶ者もあれば<わたくしのやうにーーーー
訂訂訂訂訂訂訂訂訂訂訂訂>
このしなびた青苔の系にすら
あまりに平等であらんとするなら
おれはそれらを笹舟に浮かべ
こいつらはあまりにトパーズ料亭
この分厚い雲を突き抜けては
くるつたこれらの病身けほけほと
ーーーー先達がさうしたやうに
沁みや淀みにさしかかつては<わたくしはそのやうに天球儀>
ほろうに暗めく日のあらば
カレンダに杜鵑と相成りさうらう
道行くたびびとに訊ねるばかり
おれはいつからモニユメント
がらがらまわりてにをはならべ
こうしてぶつくさ弾くばかり
三合炊いてはおひつに浮かべて
ふんぞりかえつてーーーー