海月

海月



そこらは甘粕でいつぱいで
咥えシケモクに海猫くわくわ
そらを測りにかけやうと
おまえはだからエスぺイス
たれも居ない砂の酒場で
ペダルを踏んではぶさいくに
鋭利な画家はカンカン照り
おれも透かし細工のそれらを
きつときつと一目見やう
螺旋につらなるいちれんの
一に二も無くふわふわで
おれはそのやうに思うのだから
ノベルに咲いた羅列の花に
あいまいな名を勝手につける
飛沫のかかる足はざらざら
これは五拍子のソナタにしやう
おまえはいつも鋭角だから
整頓できるまでは栞をはさんで
余白を髪でくるくるやつては
頁の波間や毛布にくるまるから
こんなにも硝子の入り混じつては
楕円コンパスになるかしらん