百日紅

百日紅




若し其れが多年草なれば
<止マレの標識>

   
 シルクと月の糸で拵えた
 三色刷りの正しさ


  (なにせ日に数本なのだから)


浅葱のよく晴れた日には
主治医はよく黴が生えるなどと


  水桶でぶらぶらやつては
  このやうに日誌を


    先生がカルテをつけるやうに
        <きちんとやるから>


 水泳をした髪をまとめて
 あの一色刷りの時刻とそらの下


  ドライフラワーのやうに
  俺や橙やそれに類する幻滅すらも


    (ーーあまりに天麩羅なのだから)