浮遊崛起

浮遊崛起(擦り寄り)



おれは立つ
廃院にも日は照つて
目の眩むあおぞら一枚
おまえもまた胎児なのだらうさ
ひどく悲しい繊維で編んだ
なみうち際のポラロイド
せいはりの汀はあてどもなく
いつか聴いたコンポウザア
あしについた砂の写真の
それらをなつかしむくらいには
ずいぶんとおくに来たもんだ
かたちに洗われるからメツセージ
ともだちがさう云っていたから
きつとさうなのだとおもう
にわに生えた立派なももの木に
せいいつぱいに痰を吹くから
おれが尚立つていることを
どうか許してほしいとおもふ