金色尾錠

金色尾錠



借家の畳のいたんだやうな
あの月もきつとサスペンダー
固定された琥珀いろのでんぷんを
ほんのひとかけらなくなく食み
なんぞ入れなければならないのだから
外はチカチカ明滅する電灯で
ひとびとも漫ろに文字盤ぷらぷら
まるで竜頭のいかれたやうな
彼らもそのやうな吊り紐であるから
あるいては食べのオートマテク
このやうな唯心論と桃をやるやうな
あいだ柄を忙しく継ぎ接ぎして
どうにかこうにか金色の尾錠で保つ
最早茫洋なんぞはルサンチマン
おれはミステシズムの徒のやうに
決まつてこう云うのだあゝ勿体ない