俯瞰耄碌

俯瞰耄碌



春のろくでなしは
厚塗りポラやカンバスで
だのに黒糖ぼたぼたと
せめて一列に並んでいろ
灰吹からのぞんだ空に
浮かぶ舟なぞあるものか
ことさらに寒もきわどいです
黄ばんだ文士の囀りやらを
枕にしてみて思うことは
こういうやうな幻想か
おれにはおれの要件がある
そういうことなのでせう
閑々と鳥は朝を唱和し
夜にはバイオリンやセロで
それは変わらないものであると
なんどもネガを焼いては
安堵なぞ両切りだというのに
いいからきついのをくれ
一つどうかそのきついやつを