俯瞰蒼穹

俯瞰蒼穹



天幕はローソンブルーで
どこから波の音のする
こちらは凪いで蓬髪くくり
目方のあやうい影を追う
まるで印字のかすれたような
おれはそれに浮標投げる
いくらかぷかぷやろうとも
木目にセロファンなのだから
そうして梁はからふねで
おまえはどうして穹も干す
どうして梁はかからない
当て字もどこか調子のずれて
ぎいぎい鳴るだけであり
茶色い輪ゴムや缶詰だけが
ふくろに詰めた風景で
おれに蒼穹であることを
しばしば脅迫してきて
べたべたの地面をこうして
あのべたべたのなかを
どこかの給仕なのかしらん
ここに予鈴のあればいい
きまってねじ式もピンとんで
強化硝子やマネキンが
同じポーズを取るやり方で
おれにも全く原理なのだ
解凍したここらもそのうち
足に冷たくじゃぶじゃぶ鳴る
あぶらのついたドの音や
辺鄙の海のソラシドは
洋風キルトのかなしみで
あるいは出来合いの遠心分離
丁度ぶかぶかの梅雨張りが
もうすぐ張り出してくる