2014-06-05 田楽 石 田楽 白んだ河岸は照りかえし うすいひかりが庵をあんだ あずまからたちのぼるおびが ぽうつと踊つて朝をほどく いばら野原にも澱ができ 天つ神のオペラが上演され にごつたそらは水鏡のそら ニーベルングの朝をほどく みやこは鉾たて雨かえし しずかなつぶが土を潤した ここのてんじやうは梁がない ひかりは傘をすべつてはねた なんとはたねを独逸へと 荘園に納された田楽と共に かすんだ異国は手鏡のなか テラスで女は指をはいていた