中西整形外科

中西整形外科



野戦病院の額縁は
あじさいのいろ
女医の沙汰をまつた
びりびりのやつを
腰やら肩にはつけて
じつとまつていた
たむろう老いた人たちを
この絵画はじつとみて
ただたたずんでいたのか
まずはれない器具たちに
そつとあたためられては
またびりびりとやる
四番のやつだつた
よりつよく濃い電流は
たしか五番のやつだつた
雨に流れていくやうだつた
じつとまつた
時計はこちらをみてくる
じつとみてた
夢に染みていくやうだつた
こまつた電流は
もつとも隣のやつだらう
一二分ほどすぎたのち
びりびりはおわつた
診察券の器具と絵具を
受付でうけとつて
いりぐちでじつとみて
そらの電流をじつとみる
びりびりのやつを
俺はびりびりとみつめていた