2015-08-29 所帯 石 所帯 よるの太鼓の あまりにひどく 嗚呼、糸の河 流るる血たまり かちんと鳴る もうもうはかない むらさきの 暗いせともの 背に佩いて あてどなく、 ゆらんゆらん 鈴虫おいかけては ほとほと、まいりて 頬紅の艶の出来 雨のみ綴りて ゆくばかり 火消しの鏡、烹 間の女にうつるは 障子のぞきみ 合いの手いれん 我が身のみぞ ひび、椀のかけら かけるものなし