2015-08-30 掛時計 石 掛時計 ころあいみて 張り替えた障子は 化粧水のやうで べたべたしていた 風のはなびら 狂い咲き、でも 灯りはともらない ともはたらき 焼畑のにおいを 空の花瓶に詰めて 額縁にいれて 異邦人をじつと見る 骨のない家は まるで子供のよう 狼はいないけれども 本のほくろを いくつか、数えて まくらにしては 煙草くゆらせ 所在ない時計の針を また数えなおす かちこちかちこち 夜はもう懐にあつた