無頼の春

無頼の春



春はちゅんちゅん
床几に突っ伏し
陽も度のあっていない
一度眼科にかかるべきだろう
巻きをくゆらせては
伸びた髪をまとめている
歌留多の上の句やらを
庭にぱらぱら撒いていると
これではいかん大火事だ
梯子の上で踊る花粉は
きりはり太鼓の日経なので
あるいはビスケのそれなのか
誰ぞか言ったかおそそでさ
無頼の春はトタンに落ち
蔓も巻きつくという按配で
日がな縁側ほお杖つく