2014-10-13から1日間の記事一覧

楚歌

楚歌 燃 消し炭のやうな 旅 猫の革はつた 拍 高利貸しの風きつて 屏 錠のない日をあおぎ 座 在りし名を省みる 面 甲冑のやうな生業は 矢 討てど暮らせど変らず 変 前髪絶句 後髪絶句 線 硝子玉はじいては 糸 手繰る 母 業の荷駄をおろしては 子 狸の革にくる…

化粧師

化粧師 罪の値を切る飴細工 (あるいはシフオン) 着せかえたビトン モノグラムの憂鬱 汚れた枕のやうな雲 (ぽんぽんと毬ついた) なみだの速度で (石工は硬さを保ち) 黒いノミで砕いた かつかつとやつて 質屋にならぶ罰の値は (あるいは綿菓子一つ) 刷られた夜…