千寿菊

千寿菊









さかさにふうせんながれてく
三角定規のカナリア
いびつなよるのかがみだ
あけの天女はゆるりとおびをほどいた






かどばつた五月晴れは厭らしく
マリーゴールドの少女のやうだつた






まるで藝術品をみるやうなまなざしで
じつとマリーゴールドをながめていた
茶店の窓辺からほほづえをつき
じつと少女をながめていた