2014-05-24 祇園 石 祇園 つと三つ指たてた 白無垢の鉄砲百合の 鼻緒がきれていた 若旦那はそうつと摘み こゆびの紅いひもで 鼻緒をすげてやつた ぽうとほおをあからめた娘は うれしそうにわらつていた ちやきちやきとさつていつた ちやきちやきとこ走りで 祇園の宵に花は散りいそぐ 煙管の火は身をもこがす おいおい、なあんでさ おいおい、どうしてさ よいよい、かまわんさ 若旦那はにがい宵の蝦蟇口を きつとにらんでさつていつた 祇園の宵に花は散りいそぐ