軒先に爪がおちては
すくいあげて缶を切る
プルタブは日課のやうに
三文芝居を演じては
あの鋼の椿をきりとる


(よるはかぜきりひとりきり)


ぼうつと椅子に腰かけた
赤い煙草とアルコオル
爪は夜のマントはおり
やがて朝のプルタブを切る
あの雲雀どこへいつた


(かぜはつめきりひとりきり)