月夜を横切る鵬の名を
天秤にのせてみるのだが
いつこうにかたむかんぜ



くろい羽をはばたかせ
南帝にのせてみるのだが
いかんせんかぜふかんぜ



(子、曰く)



天と千はつがいで
ここらは白髪三千丈



点と線はちだまりで
おいら宙に文字を書く



(子、曰く)



貴妃や美しや
心に花を咲かせておる



ソノシイトは犀か
我、敢えて問わん



問答無用の夏の宵
あげくにぼたり
ぼつたくりのあおい肴



貴妃や美しや
心に鵬を咲かせておる



(子、曰く)



なにももたずにじつと
まちわびて丸太町



指で式をあみあげて
じつと 宙に網をはる



月夜を横切る鵬の名を
天秤にのせてみるのだが
いつこうにかたむかんぜ



くろい羽をはばたかせ
北帝にのせてみるのだが
いかんせんかぜふかんぜ



(子、曰く)



貴妃や美しや
心に鵬を咲かせておる



あそびこころに
恋文載せた
菜を摘みそえて



月面舞踏は
がらくたの鵬のなか



おだやかにあそび
追いかけて星霜



四季はうつろい
のろいのこの半月を
レコオドで駆ける



走る針の律の名を
天秤にのせてみるのだが
いつこうにかたむかんぜ



走る鵺の律の名を
天秤にのせてみるのだが
いつこうにかたむかんぜ