贋作

贋作

一つ、ふうしの電柱です

やがて砂鉄まじりの春がきて
ふしのないふしだらなさや
そのたもろもろ
唐橋あたりにながれます

三つ、おもいのお地蔵でした

西洋でいふミサというやうな
そのやうなこころもちで
そつとお餅をそなえました
雪吊のやうな行為です

五つは、おかねのモナリザ

贋作の桜なみきを
くろい亜鉛でぬりつぶします
そのやうな所為が
赦されるといふのはどうでせう