2015-02-16 赤レンガ 石 赤レンガはすむかいの恋が ひつそりと摘まれてしまう 床几にほほついて それらをじつと眺めてはとほく汽笛の音がした 赤レンガはつばきのやうで まるでおそろしい 屋根のない心のやうだ駑馬駑馬とおいかけて また去つていつてしまう 在る、変性的情事を おれはじつと眺めていた銚子いつぱいの花びらを ひとつひとつ数え また床几にほほついて 只、じつとおれは月をみる