無題

円山にて

しだれのぼやを眺めていた
あちらこらちらに灯がともる
初潮の乙女のやうな具合で

一間さきの射的屋では
面をつけた子坊主が
ぱちりぱちりとやつていた

とおりすがりに宵がきた
藪のむかうで指くわう
稟のないふしだらなさで

三色刷りのまるやまは
不是
そのものであつた