2015-04-18 無題 石 無題かけた縁も臍を曲げ 硯の庵にもぽつぽつり ふぐりが咲いたころ こむらさきの雨たけが お樋にたまつてゆく いちどかつんとやつては またじつとそれをまつ 薄紅いろがまじつたり こはくいろがまじつたり 百色眼鏡のひやをのみ 丈で百乗の泪をのみ 枯井戸のそこに咲いた 手前こはるをそつと摘んだ