ざいない歌

ざいない歌

ざいない身には
田のみで、梟
呆呆と鳴いている
くつきをぬけて
いたるきやう
鴨川をどり
よよ、よよ、と
むれはどこかと
俺は人に其れをきき
ああ、ざいない身
其れがどうにも
おれはどこかと
俺は人にそれをきき
ああ、せんない身
すまきの春と
すれちがつては
ほおづえつく