2015-06-22 無題 石 無題わたしとあなたと 石の棺に黄昏がやってきて 賢者はなにもかもを告げる たとえ灰になろうとも丘のうえに鐘がなる それでもその手の震えを 愚者はとめることはできない いずれ翅をもがれようとも虱をはいた水無月は やがてそらの桶に暇を求め あなたに手をさしのべる 井戸の水が枯れるまで乾いた丘にあなたはいて わたしはそれを眺めている あなたは立ち去らねばならない 教会の鐘の音がやむまえに