無題

無題

わたしとあなたと
石の棺に黄昏がやってきて
賢者はなにもかもを告げる
たとえ灰になろうとも

丘のうえに鐘がなる
それでもその手の震えを
愚者はとめることはできない
いずれ翅をもがれようとも

虱をはいた水無月
やがてそらの桶に暇を求め
あなたに手をさしのべる
井戸の水が枯れるまで

乾いた丘にあなたはいて
わたしはそれを眺めている
あなたは立ち去らねばならない
教会の鐘の音がやむまえに