2015-06-22 無題 石 無題あなたは空を眺める 脾肉のついた翡翠のくもは 暦の梯子からすべりおち やがて標本されることになる木こりをたずねるといい あなたは断面を知れるだろう 飾られ削られた沈黙を たとえかた眼をもがれても蝶番はすぐそこにある それに囚われすぎてはいけない わたしがそうだったのだから 栞をもっていくべきだろうあなたの望んだ静寂が すべて食卓にならんだころ あなたはまた空を眺める 季節は刷り切れたのだから