無題

無題

あなたは空を眺める
脾肉のついた翡翠のくもは
暦の梯子からすべりおち
やがて標本されることになる

木こりをたずねるといい
あなたは断面を知れるだろう
飾られ削られた沈黙を
たとえかた眼をもがれても

蝶番はすぐそこにある
それに囚われすぎてはいけない
わたしがそうだったのだから
栞をもっていくべきだろう

あなたの望んだ静寂が
すべて食卓にならんだころ
あなたはまた空を眺める
季節は刷り切れたのだから