からふね屋

からふね屋


シフオンの小路を
 音符の花束で敷いて
  黒鍵は黒猫の亡骸か
   それでも空は白くて


冬の日向のベンチに
 おれではない誰かが
  いつも隣に座つていた
   これはドツベル言語か


太陽に毛布がかかり
 水銀灯もちらほらと
  ここら小雪のふりかかる
   あなたにも積もりますか


このやうな景色ばかり
 壁の星座は画鋲でできて
  冬にはオリオンが鳴ります
   それでも空は暗いでせうか