無題
あなたはいつも
なだらかな砂丘にいて
星座をつかまえる
ケージや貝殻
スチール製の椅子
或いは本棚なんかに
たとい温度が
なくたってもいい
どうか、
こころに句点を
あしのない影も
背伸びにあくびこらえ
四角いあきばこに
かくれんぼうで
悪戯にゆれる景色
まるで指揮者のいない
聖櫃のオルガン
シーツの海辺すら
いつか、
なみだの寄付を
くたびれた花束
生花と造花の双子たち
きみは硝子の碧眼
ぼくもさうだとおもふ
虫食いの世界は
どうしてこうも退屈なのか
だってそうだもの
いつだってそうだった
あした、
七十三頁で会おう