二月二十八日

二月二十八日



俺の鉛のマントは
 黒板の穹を射ています


(あゝ、これも遅刻の
 おんぼろの言い訳なのか)


 蒼穹の波浪やら
  字引きの髪留やらで
 

工夫をこらしては
 これも乾いた覗見です


(あなたは均一なのですか
 いいえそのやうな筈もない)


 玻璃のギヤマン人形
  完璧も蓄電されねばと


俺は鈍行のあしもとを
 この泥まみれのブーツを


 (空のシーツも乾かない
  いくら佳人が泣こうとも)


 辺境の無花果
  いつも素足でありました