2016-02-29 Chimaera to Ore 石 Chimaera to Ore そしていつもの黒縁は 擦り硝子のピンボケです (具合の悪い揚羽蝶 苔の生えた指先、灯る) 額の夜道に飛ぶ花粉 絵の具の飛沫かもしれぬ 金箔のそいつらも きちり油絵に納まつて (指紋のべたついた翅 お前はそれを売るのだ) 麹や味噌なんかや フェルステンベルクとで 道理なんぞもくもってます 擦り硝子を拭けども拭けども ヴァイオリンと夜汽車で 踊るレールに俺は居たのです