人相書

人相書



ひしやげた春やら
 曼荼羅の急須にも
  淹れたての其れやら
   故郷、一杯引き絞る


寂れた文句なんぞ
 無用の伽藍であつた
  どうぞこんな始末です
   交尾した景色なんぞで


花粉の濃い季節には
 こんな今宵でよいのなら
  へつついに立つ粟のみを
   かき混ぜるのみなのです


越前の麹なんぞで
 いつさう弓なのでした
  其れは一体どんな様だ
   聴診器、葉緑体にあてる


おれの栞はどこに
 あゝ、点呼と錨とで
  このあたりの洋茶店
   ぽつぽつ落ちるやつは