2017-11-13 俯瞰蒸発 石 俯瞰蒸発 甘いトローチの逗留は どこか錆びた天使のやうで おれは夕暮れに佇む 舌で転がす昼なんぞは 澹蕩の田園を行き来して 白いカーテンで繕つた まるきり田崎であつたのに 空の一面パールの糸くず どうしてこうなるのだ 闡明なれば出来べき筈だ いずれ朝には光を沸かして たまには英国の紳士を気取り 給仕に砂糖やケイクを注文しては いちいち作法に難癖をつけて 硝子越しに造園を眺める そのやうな幻想を筆架に乗せ 廃線のバス停におれは居た 嗚呼、お前もいたのだな