2019-06-30 無題 無題 もうぼんぼりのやうな蛍が 町々の夜空を照らす一等星ですから 或いはそれらの下位に準ずる われわれはいつだつて平行存在で たといば遠藤醤油の味の濃いや薄い 一握りの米という具合なのです グリツド状の田園にある鴉除けは わたくしにほかならないのですから なればこそ藪蚊もあの嬰ハ短調で わたくしの延長といふ器官を採血して てんとうする日も貧血であるから ノノ字にならざるを得ないのであります えいとやつてはポッキイ割つて ふたりでわけあえる間柄の どんなにありがたいことでせうか