2019-06-29 六月情景 六月情景 五ソルの馬車はいつだつて がらがらと廻り回送であるから 濡れたあじさいの匂いたつ この油彩でパステルの三十号 水だまりのやうな暦ばかり レマ止あまりにも乾きすぎだ 行き先のしれない加工石を いつもの蛙に高値で売り付けては 全く回送といふ御伽は質の悪い ええと云わばそうなのだらう 平衡や均衡とすこしの香辛料で あまりにもうゲコゲコなのだから いつかあの棚田の譜面にも 符も並べられる日の来ればと あべこべの群青と畔を行く 左官のきつちりしあげたそらにも 蚊帳に靄のそろそろかかる