滑車

滑車



ペダルをやればもうすでに
右足は蹴り込む映写であつたから
ふわり髪を梳いてはコマ送りの
あれはラベンダーでこれは水車と
飼料にむらがるセルもあらば
吹き硝子に映る像はでこぼこで
こんな畔にも背丈はあるから
顔の無い七三ポスターの政治家の
よく居る手合いになるまいと
漕いで白けてここまで来たのだから
おしろいでもあればよいのにと
小言をならべ堤に腰かけては
ゆう暮れエンディングを迎える
また飽きずにからから回して
苦語ではあるまいかと自嘲するから
さういう様になるのだらうさ