ビニール栽培

ビニール栽培



むかうの空にねそべり爪を噛み
漂白されたベタベタの日光と
雑音ラジオに棒を伸ばし局あわせ
五枚羽の扇風機と付箋のあの丁字路
いつでも横目にまるばつしかくなのだ
子どもの背丈ほどの穂を摘んでみて
これはたしかしからんと耳を澄ませる
あしの自然と止まるのだからせんのない
献灯のちらちらするころあいには
これらがいつそもう南瓜畑だつたらば
どんなにアンティークであらうか
オートに電灯の点くものだから
などとついつい耽つてしまうのだつた