桜心中 おぼろ月夜にふる雪は ちらほら流れておりました 八洲におよぐこざかなは 塩ドロツプのやうでした ひとつ盲をくらつては かたほう漕ぐほかありませぬ たしか縞模様の春でした まるで丈のあわない雨でした 吹雪舞いちるメイビーは はらりと投げ銭にぎ…
飯盛女 中山道のすくばに 一輪のかすみ草があつた おはじきのやうに 月夜にぱちんとないて おやどのおそばに 青い電流ながれていた こじきのやうな それはまるでこじきの 張りかえたころも ほつれた絹糸が月から むかでのしたに垂る 三上の守はしたたらず さ…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。