2014-10-29 飯盛女 石 飯盛女 中山道のすくばに 一輪のかすみ草があつた おはじきのやうに 月夜にぱちんとないて おやどのおそばに 青い電流ながれていた こじきのやうな それはまるでこじきの 張りかえたころも ほつれた絹糸が月から むかでのしたに垂る 三上の守はしたたらず さびれたすくばは ひとけのなくて たれかに摘まれてしまう 一輪のかすみ草