2014-04-16 拳銃 石 拳銃 ひばりの泪の拳銃 遠く彼方に鐘は鳴る 空に停泊したオリオン座が 銀河の馬車鉄に乗車せり それはあてどない旅なり 春の呪詛には恐ろしひ あまた過ぐる日々 我は白髪の使者なり 一錠のオーケストラを奏で 地獄のへっついに立つ者なり 王宮には襤褸をきた 七つの大罪が腐乱す 諸兄の拳銃のポエジーは 駱駝に乗せて飛び立つ 太陽は鉱石に語りかけ 静謐な引力に導かれるか 躑躅の花弁はひばりに語り 硫黄の外套に泪す トルコ石のへきかいは 亜鉛の棺に似たり 轢殺された屏風のうらには 機械式の恋が隠蔽されし 野火は鳶に抱かれて 三千世界に飛び立つなり