少女

少女







月が凪いだら、宴の時刻よ
  少女の車輪はしとしとと





夜露に濡れた空気のはがねに
  口紅ぬったおっ月さん





とおりゃんせ、とおりゃんせ
  スピカをお指でなぞりなさいな




地獄に恋文ちょいとしたためて
  辻のお犬に悪戯なさいな




宵の口には鏡のなかで
  耳朶噛んでおねんねなさい