高島屋

高島屋







茶色い髪が泣いていた
木屋町ですれちがう女たち
長い枝垂れのような睫を
ぱちぱちまばたかせながら
活活、闊歩していた
俺はつい、風靡されてしまった





黒い髪が流れていた
河原町ですれちがう女たち
薄い白亜のような頬を
ぽうぽうと紅らめながら
渇渇、闊歩していた
俺はつい、微笑んでしまった





俺は耳に長い髪をひっかけて
高島屋の暗い街灯のしたで
巻き煙草一本分の愛を燃やした