2014-05-08 高島屋 石 高島屋 茶色い髪が泣いていた 木屋町ですれちがう女たち 長い枝垂れのような睫を ぱちぱちまばたかせながら 活活、闊歩していた 俺はつい、風靡されてしまった 黒い髪が流れていた 河原町ですれちがう女たち 薄い白亜のような頬を ぽうぽうと紅らめながら 渇渇、闊歩していた 俺はつい、微笑んでしまった 俺は耳に長い髪をひっかけて 高島屋の暗い街灯のしたで 巻き煙草一本分の愛を燃やした