ひまわり

ひまわり



向日葵のやうな微笑みを
おれにみせてくれたきみは
きつといまもさびれた大垣の
あのちいさな向日葵畑にいる
なつがいくらかれはてても
(のぞみひまわりはねとんだ)
大垣城の堀にさいた一輪花
向日葵はまるで守護天使のやう
さいだあのやうな車窓なら
いまでもぬけずにここにある
くるまのまどから酸抜けた
(おれワルツ写真におさめた)
彼女は向日葵とワルツを踊つていた
彼女は太陽とワルツを踊つていた
それはとてもうつくしかつた
それはとてもうつくしかつた
セピア色のひまわりの一輪車
きおくはひまわりのゆめのなか
とおく八月のあのうたかたの花
カンバスに描かれたゆめのなか
もうすぐまた八月がやつてくる