2015-09-06 無題 石 無題 そらの欠片で解剖された 沈黙はなにも語らない ワルツは花瓶におさまって 物色づくレコードの針 いくら月灯のシールを こそこそ集めたところで 硝子の子猫は救えない 透明な二元論にももう飽きた 窓辺に座りあらためて あなたは青い髪を梳くだろう まるで拷問のクォーツで 敷き詰められた鏡のまえで いつも朝はつまらない トランプの中に施錠されるから 手足をもがれたぬいぐるみに ひかりのマチ針刺さる