無題

無題


そらの欠片で解剖された
沈黙はなにも語らない
ワルツは花瓶におさまって
物色づくレコードの針


いくら月灯のシールを
こそこそ集めたところで
硝子の子猫は救えない
透明な二元論にももう飽きた


窓辺に座りあらためて
あなたは青い髪を梳くだろう
まるで拷問のクォーツで
敷き詰められた鏡のまえで


いつも朝はつまらない
トランプの中に施錠されるから
手足をもがれたぬいぐるみに
ひかりのマチ針刺さる