無題

無題



蚊帳から臨む
出納帳に登る日は
顆粒の午後保ち
これは金蘭あれは銀蘭
がたがたの山路や
朝市で仕入れた天を
ぞふぞふ仰いで
歩廊のブナを行く
蕩けるような
在りし日々につくつくと
おれは影を踏んでいた
それが商人なのです
だれかがさう言っていたから
おれもさうだと思うのです